記憶のかけら +

寒い国


Land's End へ行きたいと思った
その訳を教えてくれたら
と思ったけど やめた
この孤独さ加減が
ちょうどいい

それに 私は その答えをほんとは知っている
くだらないわ


大丈夫
最後にはちゃんといいようになる
強運の持ち主だから

というのは本当

だといい

* * *

私 もう子供のふりをするのやめるわ
私 もう子供のふりをするのをやめたい

* * *

イギリスには 山がない


Penzance

そこは カモメの声が印象的な街だった
駅前に Fish & Tips の店が一軒しかないような
小さな港町に 放り出された
私は ミコノスを思い出したけど
風は 何となくスペインの匂いがした


『荒れ地』
という言葉がふさわしいヒースの野は
思っていたほど 寂しい感じはしなかった
かえって自然のすばらしさに感激する
荒地の上り下りの激しい道は
とてもつらくて
Top Withens を目の前にして
何度も立ち止まり 休まなければならなかった
せめて 天気のいいことに感謝して
魂だけの存在だったなら
こんな思いはしないと思いながら登った

Top Withens からの眺めはすばらしかったし
ここまで登りきったというのが とてもうれしくて
『すごいじゃない!』 と叫んで
羊に見つめられてしまった

『荒野』 というのにふさわしい


『秘密の花園』 を読んで
キャスル・ハワードを思い出した
6 mile も歩いて やっと辿り着いたそこは
朝露に濡れた牧場の中

今の私には あの土と草と風が必要なのに
ここでは 風すら吹かないわ
せめて あの冷たくて力強い
風を思い出したい
草の匂いを 思い出したい

『4 月のイギリスの印象』

草の緑


そして 風

寒さが身をひきしめる土地
夏を待ち焦がれる島


『23.MAR.94 の日記』

朝から重たい雲
小雨
English Weather

そんなに多くが
欲しいわけではないけれど

あれこれ迷って
未だに どこに向うのかすらわからない
そんな
可哀相なほど 気の多い人も
可愛いと やっと思えるようになった

これが性分だと あきらめて


風が強くて
スコーンの味もよくわからなかった

あの イギリスの風が浴びたい




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